梅毒患者、急増の謎 日本人女性に何が起きているのか?

三橋貴明
経済評論家

この記事は三橋貴明氏の見解を元に、経営科学出版が作成しています。

若い女性の感染が増加

近年、梅毒が急増している。
例えば、大阪市における平成30年(1〜11月期)の梅毒報告数は、5年前の7倍以上にのぼる。
うち、女性の梅毒報告は、70倍に迫る勢いで激増しているのだ。

※大阪市HPから引用 梅毒報告数(平成24年〜平成30年)

とくに、女性は10代〜30代の割合が8割以上と高い。

※大阪市HPから引用 梅毒患者の男女別年代割合

全国的にも梅毒は流行っており、2018年には6,000人以上の患者が報告されている。

いったいなぜ今、梅毒が流行しているのか?

梅毒の報告数が6,000件を超えるのは、1970年以来、実に48年ぶりだ。
梅毒は、梅毒トレポネーマという最近が引き起こす感染症だ。
感染者の粘膜や皮膚との接触(主にセックス)で感染する。
感染すると、性器や肛門、口にしこりができたり、全身に赤い発疹ができたりする。
さらに数年が経過すると、皮膚や骨などに腫瘍が発生、心臓などの臓器が病変し、場合によっては死亡に至るケースもある極めて重篤な病気だ。
ただ、日本における梅毒の報告数は、2010年まで低い水準で推移しており、「過去の病気」だと考えられていた。
それが一点、2011年以降、急増したのだ。

※東京都福祉保健局HPから引用 東京都の梅毒患者報告数(2007~2017年)

過去の病気だと考えられていた梅毒が、なぜ今になって流行しているのか?

激増する外国人観光客の影響か?

明らかな証拠はないものの、多くの医師が原因として挙げるのが「外国人観光客の急増」だ。
日本政府観光局の公開しているデータをみると、2011年以降、明らかに訪日外客数は増えている。

※日本政府観光局より引用

中国人の”性の爆買い”が報じられることもあったが、少なくない訪日客が、日本の若い女性と性行為を行っているのだろう。
そこで梅毒に感染し、若い男女の間に広まっていると考えられる。
というのも、中国の人口は日本の約10倍なのに対し、梅毒患者は約300倍*だからだ。(*:獨協医科大学越谷病院泌尿器科講師 小堀善友氏)

この影響を無視することはできないだろう。

まるで発展途上国と化す日本

梅毒が増えていることも問題だが、、より深刻な問題は、やむをえず風俗で働いている女性が増加していることである。

ダイアモンドオンラインに掲載されている記事に、衝撃的なタイトルの記事がある。

『風俗嬢に現役難関大生が増加、ある女性が語る「仕事・お金・将来」』

この記事でインタビューを受けている関西の名門国立大の学生、アミさん(21)。
税理士を目指す、いたって真面目そうな女学生だ。

そんな彼女がバイト先に選んだのは、高級ソープランド。
経済的不安をなくし、税理士の勉強に専念するために、700万円貯金したという。
記者がアミさんに「もし風俗店が雇ってくれなかったら、税理士試験は諦めていたか?」と質問したところ、「奨学金は取りたくないから、大学進学や税理士試験そのものを諦めていたと思います」と答えている。

日本は今、アミさんのような名門国立大の学生でも、おカネを理由に将来を諦めなければならないという状況を生み出してしまっているのである。
これでは、まるで発展途上国ではないだろうか…。

何が原因で、日本はこれほど貧困化しているのか?

かつて、アメリカを追い抜くとまで言われた経済大国日本。
しかし、平成以降、「失われた20年」と言われる長期停滞を経験した。
今もなお、経済は冷え切っており、一向に回復する気配はない。
いったいなぜこれほど悲惨な事態を招いてしまっているのか?
それは、政治家のせいでも、官僚のせいでもない…。
実は、経済政策を考える上で参考にする、”ある学問”が禍根だったのだ。

日本を没落させる”ある学問”の正体に迫る…